■2005年7月号
世界最大のワイン見本市「ヴィネスポ」がボルドーで行われ、酷暑(39度とかなりました…)の中、私も毎日果てしない数のワインを試飲してきました。
左の写真は、ボルドー、ペサック・レオニャン地区で有名なシャトー(シャトー・スミス・オー・ラフィット) の畑。隣にはヴィノテラピーと呼ばれる、ブドウを使ったエステができる施設があります。
2005年7月02日撮影
Q ブドウ畑に良くあるこの茶色の物は何でしょう?
答えは一番下
■ボルドー地区のブドウの状態
今年は、花付きの時期にとても天気が良かったので、受粉が上手くいき、とても良い状態で実がつき始めました。
このまま良い状態が続けば、完璧なブドウを収穫できそうです。
花付きの状態が良くないと、この写真のように房の中で実が完全についていない状態になってしまいます。こうなると小さくて上手く受粉できなかった実は収穫時期になってもとても酸っぱく、ワインになったときに青臭い香りの原因になったりしてしまいます。
■飲みきれなかったワインは
こんなことを書くと肝臓大丈夫?と言われそうだが、私は造り手との試飲も含めて、一日平均おおよそ1本半のワインを消費している。日本人のワイン消費量の平均が年間約2.5Lらしいので、私の場合2日強で日本人の平均ほどを飲んでいる計算に…。

一日中試飲をしていても、家に帰ったら自分の好きなデイリーワインをあけて飲んでいるので、アルコールを飲まない人から見れば、もう救いようの無い次元である。(しかし前回の検査で肝臓のガンマ値は2桁だったので問題なしのはず…)

新商品の開発等で、試飲をすると一度に50本とかワインを開けなければならない。ご存知のようにワインは一度開けると酸化が始まるので、飲むか、料理に使うか、捨ててしまうかと言うことになるが、この仕事をしている以上、ワインを捨てることは絶対に出来ない。といって50本も飲めるわけもない。

そこでいつも使う手が、ワインのブレンドである。「このワインとこのワインをこの分量で混ぜ合わせるとお互いの良い面が強調されてもっと良いワインになるかも」「このワインの欠点が際立ってるけど、良いワインにこの欠点が多いワインを入れたらどれだけの影響が出るだろう」などなどいろいろ考えながらワインを混ぜ合わせるととても良い勉強になる。そして、試飲によって目減りしたワインに他のワインを加え、一本満タンにし、手でコルクを硬く入れなおせば、かなりの期間保存しても酸化の問題は無くなる。

ご家庭で何本も一度にワインを開ける機会は無いと思うので、上記の話は全然日常的な話ではないと思うが、一度開けてしまったワインが飲みきれなかった場合の保存方法に関して言えば、ちょっとしたコツで何日もワインをいい状態で楽しむことができる。

ワインを開けて目減りした普通の容量のビンの中にそのままにしておくより、ハーフボトルに入れ替えて、コルクをしたり、水のペットボトルなどに詰め替えてきっちり栓をしておけば、格段に酸化のスピードは落ちる。
そして、次の日も美味しくワインが飲める。同じワインでも次の日飲むと印象が変わってくるので、ぜひお試しを。
■先ほどの答え
コンフュージョン・セクシュエル(性的混乱とでも訳すのだろうか…)と呼ばれるもの。ブドウ栽培では「蛾」の幼虫対策の為に、今まで殺虫剤を使用してきたが、雌のフェロモンと同じ香りを出すこれを使うと、雌は「すでにここは雌でいっぱいなのね」と混乱し違う場所へ。雄は「ここには雌がいっぱいいる!!」と思い寄ってくる…。結果的に産卵数を劇的に減らすことが出来て、殺虫剤を使うことなく、ブドウにとっての害虫を駆除できる代物。
ちなみに人間には全く感じられない香りだそうで…

text by KATO Naotaka
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