Finca Mas Blanc (フィンカ・マス・ブラン)
Mas Blancにおけるピノルド社の新しいプロジェクトが完成しました。
ピノルド社のワインはワイン紀行で取り扱っています。新しいワインも入荷次第、皆様にご紹介する予定です。
■DOCプリオラート
バルセロナから南に向かって地中海沿いの高速を1時間ほど、私がカタルーニャのグランドキャニオンと呼ぶ標高1000メートルを越す岩肌の山々に囲まれてプリオラートはある。1991年にゴ・エ・ミヨのワインガイドで高い評価を受けたことに始まり、その後かの有名なワイン評論家・ロバート・パーカー・JRがこの地方のワインに高得点をつけたことから、ここ十数年で世界中のワイン愛好家から注目を浴び、一躍有名となった産地だ。また、その事実が後押しする形で、リオハに次ぐスペイン二番目のDOC・特選原産地呼称に認定(2001年12月29日カタルーニャ州政府官報にて公示)された。

そもそもプリオラートとは、カトリックの修道院長・プリオールが統治する荘園のこと、1163年、アルフォンソ一世の命を受け、この地域にカルトゥジオ修道会が神の階段という名のスカラ・デイ修道院を開き、当時修道士が行っていたワイン醸造の伝統を引継ぎ、この産地名の由来となったと言われている。

そそり立つ岩壁を見上げるだけで聖なる空気を感じられるプリオラート、その自然美がゆえに、量産できない、機械化不可能等々と一時はワイン業界の近代化に乗り遅れ、この地方でのワイン産業は風前の灯となった。今から25年程前には、数件のワイナリーと数百ヘクタールの畑があるだけだったが、今では1600ヘクタールのブドウ畑と、52件のワイナリーが統制委員会に登録されている。また、先駆者達の成功を皮切りに、20世紀末にフレシネ、トーレス、コドルニュの大手資本が参入し、業界の話題ともなった記憶も新しい。
■プリオラート・ワイン
カタルーニャ語で赤ワインのことをVi Negre・黒いワインと称するが、その語源は、このプリオラート地方で産する赤ワインにあると私は確信している。どう陽に透かして見ても、よく赤ワインのローブに使われるチェリーとかルビーという形容には程遠く、艶を帯びた黒々とした液体がクラシックなプリオラートワインの特徴である。
■Finca Mas Blanc (フィンカ・マス・ブラン)
ピノールド社がマス・ブランの名を持つプリオラートにドメーヌ設立を決めたのは1996年。タラゴナ手前から内陸に進路を取り、DOC.Priorato(特選原産地呼称・プリオラート)指定地域の南端、行政区Bellmunt del PrioratoとFalsetの真ん中に位置する。公道から、垣根仕立てに美しく整備されたブドウ畑に迎えられて私道を登っていくと、幕が開く様に視界がひらけ、すり鉢状の同心円状に構成されたローマの古代劇場を髣髴させるテラス式段々畑が目に飛び込んだ。その中心に昨夏完成したばかりの新しい醸造所、自社畑17ヘクタールから年産数万本のワインを産するエステートワイナリが現れる。

所有ブドウ畑は17ヘクタール、その内、4ヘクタールは高樹齢のブドウ畑で、残りが96年に新たに植え付けられた。土着品種のガルナチャ、カリニェナ、さらに、カベルネ・ソーヴィニョン、シラー、メルローを栽培するこの畑は主に南東と南西に傾斜したテラス式の小さな畑だ。他のプリオラートのブドウ畑と同じく機械化は不可能で、栽培の全工程を熟練したワーカーによる手作業で行っている。
■栽培責任者のジャウマ・ヴァジェス
「ワインの仕上がりの90%はブドウで決まるからね、とにかく畑を見てくれ」と栽培責任者のジャウマ・ヴァジェス。
彼に導かれて、マス・ブランの一番高いところに立つと、後方には山脈が広がり、自然が造り上げた傾斜と斜面に切り開かれた円弧を描く畑が壮大な眺めだ。
「畑は海抜200m〜400 m に位置し、微妙な傾斜方向や高度の差によるミクロ気候の影響が大きい。それ故、各品種の特性に応じて南端の低い畑から北端の高いほうへに向かって、カリニェナ、カベルネ、メルロー、シラー、ガルナチャと作付けたんだ。」と語るジャウマの目は優しい。

これらのブドウの樹は、この地方の土壌に特徴的なリコレーリャと呼ばれる平たい石のストレート層に適応し、地中深くに根を伸ばす。ここの土壌は有機物が少ない一方ミネラルが豊富で、そのため収穫量が少ないが凝縮感に富むモストの採れるブドウが実る。
■ワイン・スペクテーターで高評価
また、ここのブドウ畑は、カタルーニャ有機農法統制委員会(CCPAE)の厳しい規格を網羅し、同委員会により有機農法の認定を取得済みであり、このワイナリーで醸造されるワインはオーガニックワインの呼称を認可されている。肥料は、やはり有機農法統制委員会で認可された牧場で飼育された雌羊や雌山羊からつくられる堆肥。さらには、植物の育成が月の満ち欠けに深く関係するという自然農法の一つバイオダイナミクスも要所要所に採用し、長い目で見たブドウ栽培とワイン造りを実践している。
早くもワイン・スペクテーターで高評価を得ている

設立年 :1996年
気候 :地中海性気候と大陸性気候の混合型
作付け密度 :3500 株/Ha
平均収穫量 :3000 Kg/Ha
収穫時期 :2002年9月10日〜10月5日
発酵温度 :22℃〜26℃
樽 :全て新樽 フレンチオーク75%、アメリカンオーク25%
■「+7」(マス・シエテ)
2004年年末から2005年新年にかけてファーストビンテージとなる2つのワインがリリースした。一つは「+7」(マス・シエテ)、言うまでも無く畑の数がネーミングの由来。早くもワイン・スペクテーターで高評価を得ている

+7 2002 テクニカルシート
セパージュ :ガルナチャ42%、カベルネ・ソヴィニョン40%、シラー18%
収穫 :品種ごとに20Kgのかごを用いて手摘み、後に選別棚にてセレクション
発酵期間 :約20日
熟成 :樽熟8ヶ月、後、出荷まで瓶熟
生産量 :16,000ボトル
資料:ワイン・スペクテーター+7評価

■「Balcones」(バルコネス)
残る1本「Balcones」(バルコネス)もバルコニーをイメージさせる畑の形状が名づけの親。マス・ブランの最も高樹齢のガルナチャとカリニェナを特別に選別し、さらにエレガントに仕上げるためにセパージュされたオートクチュールワインである。

BALCONS 2002 テクニカルシート
セパージュ:ガルナチャ35%、メルロー 30%、カベルネ・ソーヴィニョン19%カリネェナ 16%
収穫 :品種ごとに20Kgのかごを用いて手摘み、後に選別棚にてセレクション
発酵期間 :約20日
熟成 :樽熟14ヶ月、後、出荷まで瓶熟
生産量 :6,000ボトル


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